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心臓の活動を和らげるのが特徴の「メインテート」

メインテートは有効成分ビソプロロールフマル酸塩の作用によって、拍動を促す神経伝達物質が心臓のβ受容体と結合して働く前に、ブロックして心拍数上昇を抑制し降圧効果をもたらします。
β受容体を遮断するため、メインテートのような降圧剤グループはβ遮断薬と呼ばれ、ベータブロッカーという名称でも知られています。
心拍を抑えるβ遮断薬は心臓を休めることが可能なため、高血圧症のほか狭心症や不整脈の治療にも役立てられている薬です。

β受容体には心臓にあるβ1受容体以外にも気管支にβ2受容体が存在しているため、双方の受容体を遮断してしまうベータブロッカーでは気管支の働きも阻害してしまい副作用を招いてしまっていました。
メインテートのビソプロロールフマル酸塩は心臓にあるβ1受容体だけを選択的にブロックし、気管支のβ2受容体は阻害しないことから気管支への影響が抑えられ、呼吸器に疾患がある人にも向くベータブロッカーです。
メインテートのβ1受容体への選択的な作用は副作用を抑えるだけでなく、心臓に対してより優れた効果を引き出すことにも役立っています。

メインテートは服用後に効き目が長続きする点も重宝されており、血中での薬の濃度が約半分になる半減期は概ね9時間とされているものの、効果そのものは約24時間持続するよう配合されており、1日1回の服用で丸一日効く薬です。
β1受容体選択のベータブロッカーであるメインテートは、心臓への作用に特に優れていることもあって高血圧症や狭心症では約70パーセント以上の人に改善がみられたとされ、心室性期外収縮では50パーセント以上の人に効果があったと言われています。
かつてメインテートは心不全の治療には向いていないとされていましたが、海外での有効性が認められていることから、日本においても、専門医の慎重な判断の下で一部の慢性心不全患者の治療にビソプロロールフマル酸塩の効果が役立てられています。

慢性心不全の方は副作用に注意!

心臓にあるβ1受容体を選択し交感神経からの拍動を促す指令をブロックして効果を発揮するメインテートは、拍動を抑制することで血圧上昇を防ぎ、心臓を休ませる働きによって狭心症の発作予防や不整脈の症状改善などに役立ちます。
メインテートの有効成分ビソプロロールフマル酸塩は気管支に存在するβ2受容体をブロックしないため、気管支に生じる副作用を極力抑え心臓への効果効能に特化した働きをするベータブロッカーとして知られており、近年では慢性心不全の治療にも役立てられるようになって来ました。

メインテートのようなベータブロッカーは日本では心不全には適用外とされていましたが、近年海外で心不全に対する有効性が臨床試験で確認され、主にヨーロッパで心不全の治療にも有効活用されるようになってきました。
そのため日本でも2011年に公知申請と呼ばれる特例扱いで慢性心不全への効能が正式に認められ、慢性心不全治療の経験が十分にある医師の下での使用に限って認められるようになりました。
慢性心不全患者に使用する場合は、投与初期および増量時に症状が悪化することに注意し、慎重に用量調節を行うことが警告文として記載されています。

メインテートを慢性心不全の治療に使用したケースでは、臨床試験において57パーセントもの確率で副作用が起こったという報告があり、重篤な副作用とされる心不全の発症確率も7パーセントという高い数字が出ています。
気管支などへの影響を抑え心臓への働きかけを高めた効能を持つメインテートだけに、心臓への強い効果が逆に症状悪化を招かないよう、専門医のもと用法用量を厳格に守った服用が重要で、特に慢性心不全の治療でメインテートの処方を受ける際は、必要な検査等をしっかりと受けて副作用を起こさないよう自分自身でも用心することが大事です。
決められた用法用量を厳守して勝手な減量や中止をしないことが肝心です。
急な中止は狭心発作などの反発的な症状を招いてしまう可能性があります。

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